ペーパー空間とレイアウト

平成14年9月24日
設備システム研究会
WG2


◆ペーパー空間の利用

最近の建築工事の現場では、ゼネコンがAutoCADを使用して、例えば、
モデル空間には一つの階全体の建築図と複数の図枠を
ペーパー空間には建築図の各部と個々の図枠を関係付ける複数のビューポートを
それぞれ持つようなデータを作成することが増えている。
これにより、一つの階が一枚の図面に納まらない場合でもデータを分割せず済み、各図面間に不整合が生じることを防ぐことができる。

◆ペーパー空間とは

AutoCADには、モデル空間とペーパー空間という概念がある。 モデル空間はモデルを作るための、ペーパー空間はレイアウトを作るためのものである。 ここに、モデルはCADデータ、レイアウトは図面に相当する。 AutoCADに不慣れな人の中には「CADデータ=図面」ではないことに戸惑いを覚えるかもしれない。
また、レイアウトは一つ以上のビューポートを持つ。 ビューポートはモデルとレイアウトを関係付けるものである。 上記の例で、
ビューポート 対応するモデルの各部
1-1 図枠1
1‐2 建築図の1-6間かつA-E間
2-1 図枠2
2-2 建築図の6-11間かつA-E間
3-1 図枠3
3-2 建築図の1-6間かつE-J間
4-1 図枠4
4-2 建築図の6-11間かつE-J間
にそれぞれ対応しているとすると、建築図の各部と個々の図枠は、
のようにを関係付けられ、結果として
のような図面となる。
ペーパー空間はAutoCADGX5(あるいはR12)からサポートされ、AutoCAD2000からは複数のレイアウトを持てるようになった。印刷時のプロッタ情報も図面内に保存できる。 上記の例は、レイアウトが一つの場合であるが、複数に分けることもできる。

◆設備図への利用

通常、設備図を作成する場合は、建築図を元図として設備を描き足す。 上記のようにペーパー空間を利用したデータの場合は、ペーパー空間の設定をそのまま利用するのが良い。 おそらく、ゼネコンからもそういう要求があるはずである。 どうしても都合が悪い場合は、自分でレイアウトするか、切り取って図面にする方法もあるが、非常に手間がかかる。
単純に、受け取ったファイルをリネームして直接修正していく方法もあるが、データが変更された場合の修正が面倒になる。 そこで、ペーパー空間の設定とモデル空間の図枠を利用し、建築図を外部参照として、設備図を作成するのが良い。 通常、ペーパー空間の設定は変更されないと考えて良い。 手順は、
@ 受け取ったファイルをリネームする。
A モデル空間の図枠を設備用に変更する。例えば図面名称や作成者等。
B モデル空間の建築図を削除し、元ファイルを外部参照する。
C 元ファイルのモデル空間の図枠を削除する。
D 元ファイルが変更になった場合は、上書きしてCをおこなう。
とする。


追記(050825)

上記のような図面分割をおこなう場合に、通り芯記号や芯間寸法もビューポートから覗いて表示させることもできる。