コラム「命綱」

2020/09/15
非営利活動法人 設備システム研究会
三木秀樹


当会が発行している施工図作成マニュアル、多くの方々にお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。
当会は貧乏所帯ゆえ、マニュアル販売に専属の担当者を置けないので、販売は全てAmazonに委託している。Amazonは購入があると、ご丁寧にメールでお知らせをしてくれる。そりゃ、手数料が高いからそれぐらいは。
メールには購入者の情報として所在の都道府県名と郵便番号が記載されている。なので、これまでに1都1道2府43県全てから購入していただいているのは分かるが、それ以上は別途詳しく調べない限り分からない。なので、メールが来るたびに、どこのどなた様かは存じませんがお役に立ちますようにと、お祈りしています。いや、ホントに。
図 Amazonのお知らせメール
2009年6月だったか、私がシス研の会長を引き受けた頃、会の年度末の繰越金は70万円、46万円、17万円(!)と右肩下がりで、このままだと来年まで持つかどうか、という状況だった。「ダマされたぁ#」って、いや、知っていたけど。
でも、そのピンチをマニュアルが救ってくれた。マニュアルの売り上げが徐々に増えたおかげで、シス研は何とか生き延びられた。まさに、マニュアルがあってのシス研、マニュアルを購入してくださる方々があってのシス研なのだ。
マニュアル作りの目的は、施工図の要点を新人技術者に教えるためだ。であれば、何もCAD系のシス研じゃなくて、施工系のしかるべきエライ人や団体が作ってもよさそうなものだ。でも、昔はCADで施工図を描くのはCADオペレーターで、その親方、つまりシス研(前身のCAD研を含む)のメンバーが彼女・彼たちの教育係だったので、シス研が作ることになったわけだ。
CADオペレーターの多くは、設備や建築の教育を受けていたわけではなかった。それだけに、マニュアルは分かりやすさを第一に作られたのだと思う。他の「施工図の書き方」本に比べると、文字が少なくて図が多いのもきっとそのためだ。
「でも、ちょっと基本的すぎるんだよなぁ」と言われたことがある。「そりゃ、ベテランから見ると、そうだろうし、そうでないとオカシイでしょ#、つーか、無い物ネダリするんじゃねーよ、このーっ#」って、あれ?、もしかして、これも神様の啓示なのか。
とゆーこともあって、数年前から次のステップのマニュアル作りを始めて、いよいよ発行できる見込みがついてきた。昔も今も、シス研のメンバーが精力的に編集作業を続けてくれているおかげだ。こちらも、誠にありがとうございます。
図 「空調・衛生設備ディテール集最終確認版」(2020年2月)