コラム「美の三原則」

2020/07/31
非営利活動法人 設備システム研究会
三木秀樹


「施工図作成の自動化」を考えていると、見栄えについても考えなきゃいけない。でも、設備屋である私には見栄えは苦手なものだ。
なので、数年前に建築士会の会合で、大手設計事務所にお勤めだった意匠屋さんに、美しい建物の条件を、それこそ意を決して(意匠屋さんに設備屋ふぜいが)聞いたことがある。すると「あなたも美しい女の人を見たら、美しいと感じるでしょ。建物も同じだよ。」と言われた。それはそうかもしれないけど、もっと分かりやすく教えてよぉ。イケズ。
人に聞いてもダメ、ネットに聞いてもダメ。でも、凡人だから、そんなに都合よく閃くわけないしなぁ、と思っていたら、ふと閃いた。そうだ、建築じゃなくて、女の人を考えればいいじゃん、と。あれ?、あのイケズな答えも神様の啓示だったのかな。
一旦閃くと、あとはそれほど難しくない。なにしろ、女の人ってそこらじゅうに居るし、女の人の「美」の情報も、そこらじゅうに氾濫しているから、観察し放題だ。ただし、ヘンな人と思われないように、慎重の上にも慎重に。
そして、観察した情報をもとに、ついに見栄えを良くする私なりの三原則に辿りついた。「一つ、揃える、二つ、飾る、三つ、隠す」だ。まぁ、凡人の私が知らなかっただけで、常識なのかもしれないけど。謙虚でしょ。
単に見栄えと言ってもよく分からないが、この三原則なら、はるかによく分かる。分かるの語源は分けるだと言うのは、なるほど、その通りだ。それと、この三原則を当てはめると、昔、現場で意匠屋さんから、ああしろこうしろと言われていたことを、スッキリと説明できる。なので、まんざら間違っているわけでもなさそう。これでまた自動化に一歩前進だ。やったね。
とはいえ、「ちちっ、設備屋って、ずいぶんレベルが低いな」と意匠屋さんは呆れるだろうなぁ。なにしろ、建築士会は、建築に「最良の芸術」を求めているからなぁ。
出典: (社)日本建築士会連合会のHP
図 建築士会の綱領
見栄えだけでも苦手なのに、芸術と言われると、もうお手上げだ。なので、芸術の三原則は意匠屋さんにお任せします。でも、設備屋には私の三原則で十分だと思いマス。
ちなみに、最近、新型コロナ(Covid-19)騒ぎで皆マスクしているから、「マスク美人」が増えた。三原則によれば、さも、ありなん。